お別れ

旅立ち

ご報告が遅くなってしまいましたが、愛犬が2023年12月9日に虹の橋の下へと旅立ちました。

「奇跡の13歳」と言われ、会う人会う人から「若い!若い!」と言われ続けていましたが、旅立ちの日はあまりにも急にやってきました。

彼女は13歳と7か月でした。

旅立ちの前々日にはいつもの散歩コースの川の土手を走るほど元気でした。今冬は雪が遅く、12月なのに散歩ができたのです。ずっと食欲も旺盛で、小躍りしながら毎食ねだり、おやつの時間もとても楽しみにしていました。

亡くなる前の日も、元気よく夕食を綺麗に平らげましたが、1時間ほどして全て戻してしまいました。その吐き方がいつもとちょっと違い、元気がなくなってしまいました。犬の胃腸薬を半欠片飲ませたものの、元気が戻りません。大好きな薪ストーブで焼いた焼き芋にも反応しません。

しかし、夜はいつものように一緒に布団で眠ることができ、翌朝体をブルブルすることもできたので少し安心し、もう少し様子を見ようかとも一瞬思いました。7年前の急性膵炎の時は痛くてじっとしていることすらできなかったからです。しかしやはり心配なので、朝一で病院に連れて行き血液検査をしたところ、内臓の数値が悪くなっていました。しかし、体温は問題なく、必要な内臓治療の薬を含んだ点滴をし、翌日(日曜でしたが対応してくれるとのことで)点滴治療をする予約をして家路につきました。

しかし家に着きましたが、彼女は立つことができなくなってしまい、急いでストーブの前で寝かしました。立てないなどということはこれまでなく、不安がよぎりましたが、それでも点滴の薬が効いてくれば良くなるだろうと信じていました。

それでも、私と妻がトイレに行こうとすると、彼女は寝ながら首と目を向け尻尾を振ります。「大丈夫だよ、どこにもいかないよ」と優しく声を掛けました。寝ころんだまま同じ体勢だと痛いのか、自分で動いて体勢を変えるので「これなら大丈夫かな」と少し安心したのもつかの間、呼吸が今まで聞いたことのない感じで荒くなってきました。

そして病院から家に戻ってきて2時間ほど、2人で見守る中、彼女は生涯を閉じました。

別れはあまりにも唐突でした。最後の瞬間を迎えても信じることができない程に。

亡くなった彼女はまるで今にも起きてきそうです。毛並みも生きているときのようにフワフワです。お腹もピンクで、生まれたばかりの子犬のようです。

昔から、「最後はきっと大変な介護をして苦労するんだろうなぁ」と思っていましたし、それで良いと思っていました。しかし、彼女はそれを私にさせませんでした。

たくさんの人が彼女に会いに来てくれました。みんな「寝ているようだね」と口をそろえて言いました。実際に寝ている時と変わりありません。この子のおかげで移住した先でもたくさんの人とつながることができました。

北海道に移住した理由も、彼女と良い環境で長い時間を過ごしたいという思いが多分にありました。

移住したこの3年間は宝物です(勿論その前に一緒に暮らした10年もですが)。北海道に来てから、ほぼ私と妻どちらかが彼女と共に過ごすようにして、留守番させない生活を送ることができました。

彼女が亡くなった日から大量の雪が降りだし、本格的な冬がやってきました。亡くなる前々日に「(雪が積もり、寒さが厳しくなる為)今日が今年最後の散歩になるかなぁ」と話していましたが、彼女との最後の散歩になるなんて誰が予想したでしょうか。

半身を失ったような痛みが続きました。

この13年半は彼女の為に生きた人生だったと言っても過言ではないかもしれません。いかに彼女が喜ぶか、できる限り心を砕いて接してきたつもりです。しかしそれでも後悔は尽きません。そしてまた、ここに書ききれない思い出が山積みです。

しかし、今は彼女には心の底からありがとうと伝えたいと思います。

このブログを通じて彼女を知ってくれた方々にも心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。